がん検診のご案内
子宮頚がんは、性経験があれば誰でも発症する可能性があり、発症ピークは30代後半ですが、25歳を過ぎると急激に発症者数が増加し、若い世代の発症も珍しくないがんです。また、卵巣がんは発症ピークが50代前半ですが、15歳以上になると発症率が増加し始め、若い方の発症も珍しくありません。
子宮頚がんと卵巣がんは早期の自覚症状がほとんどないまま進行してしまいますので、早期発見には定期的ながん検診の受診が不可欠です。
経腟超音波(経腟エコー)検査
子宮や卵巣の状態を調べることができる検査です。不快感がほとんどなく、数分でできることから、心身への負担を抑えられます。卵巣の腫れ、子宮筋腫、内膜症などの有無を判断するためにも有効です。
子宮頸がん検査
子宮の下部にある管状の部分は子宮頸部と呼ばれており、出産の際には産道の一部となり、この部分にできたがんが子宮頚がんです。
日本では年間1万人以上が子宮頸がんと診断されており、2020年の子宮頸がんによる死亡数は2,887人となっています。発症は、25歳を超えると急激に上昇し始め、30代後半が発症のピークとなっています。
子宮頸がんの発生のほとんどには「ヒトパピローマウイルス(HPV)」の感染が関与しており、ワクチン接種による予防が有効です。前がん病変や早期に発見できれば治せる可能性の高いがんですが、進行させてしまうと命に関わります。また、若い方の発症が増加傾向にあることから、将来の妊娠・出産のためにも早期発見や予防が重要視されています。
子宮頸がん検査では、負担が少ないブラシで子宮頸部の組織を採取し、細胞診を行います。
子宮頸がんの
主な原因となっているHPV
HPVはありふれたウイルスで、皮膚に感染してイボができる比較的安全なものから、子宮頚がんなどの原因になるハイリスクなタイプまで300種類以上が発見されており、ハイリスクなHPVは現在14種が知られています。
女性の80%以上が生涯に1度はHPVに感染するとされています。感染してもほとんどは免疫によって排除されますが、約10%が持続感染し、その一部に前がん病変や子宮頚がんが発生すると考えられています。
コルポスコピー検査
子宮頸がん検査の細胞診の結果、精密検査が必要と判断された場合に行われます。コルポスコピー検査は、拡大鏡で子宮頸部を直接観察し、病変部分の組織を採取して生検を行う検査です。生検を行うことで前がん病変の子宮頸部異形成や子宮頸がんの診断が可能になります。
子宮体がん検査
子宮下部の子宮頚部の上には、妊娠した際に胎児を育てる子宮体部があります。子宮体がんは、子宮体部にできるがんで、25歳を過ぎると罹患率が上昇し始めて、60歳前後で発症率がピークとなります。子宮体がんは子宮内膜に発生することから、子宮内膜がんと呼ばれることもあります。子宮内膜は卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)によって増殖して受精卵の着床に備え、妊娠しなかった場合は剥がれ落ちて生理になります。
子宮体がんと卵胞ホルモン
子宮体がんは、エストロゲン(卵胞ホルモン)の刺激が長期間続くことによって発生リスクが高くなります。出産経験がない、閉経が遅い、肥満などがあるとエストロゲンの刺激が長期間続き、リスクも高くなります。なお、エストロゲンを補充する治療を受けている場合、黄体ホルモン併用により子宮体がん発生のリスクを抑えることができます。
エストロゲンの数値が高い状態が続くと子宮内膜増殖症という前がん病変を経て子宮体がんになりやすいと考えられています。また、エストロゲンとは関係なく発生する子宮体がんでは、糖尿病や遺伝性腫瘍などがリスク要因であるとされています。
子宮体がんのリスク要因
- 肥満
- 高血圧
- 糖尿病
- 月経不順(無排卵性月経周期がある)
- 未経産(出産経験がない)
- 卵胞ホルモンのみのホルモン療法を受けた・受けている
- 現在、乳がんの治療中
- 乳がん、大腸がんになった血縁者がいる
など
細胞診・組織診
細い棒状の器具を子宮内に挿入し、子宮内膜の組織を採取してがん細胞の有無を調べる細胞診を行います。子宮の入口が狭い場合、痛みや出血を伴う可能性があり、子宮内部に器具を入れることができないケースもあります。組織の採取が困難な場合には、超音波(エコー)検査で子宮内膜の厚みなどを調べますが、超音波(エコー)検査では初期の子宮体がんを発見できない可能性があります。また、必要があればMRI検査などを行うこともあります。
細胞診の結果、異常が疑われる場合には、子宮内膜の組織を採取して組織診を行いますが、広範囲の採取が必要な際には麻酔をした上で採取を行うこともあります。組織診では子宮体がんの確定診断が可能であり、組織型と悪性度も判断できます。
なお、悪性腫瘍の疑いがある場合には、速やかに連携している高度医療機関をご紹介しています。
中央区 子宮がん検診
対象者
中央区民で20歳以上・偶数歳の女性
中央区民で21歳以上・前年度検査を受診していない奇数歳の女性
※年度末 3月31日時点の年齢としてお考えください。
受診期間
中央区 子宮がん検診ページをご参照ください。
受診期間の終了が近づくと混雑しますので、早めの受診をお勧めしています。
受診券の送付(申込方法)
中央区民で20~78歳の偶数歳の方へは、4月下旬に受診券が郵送されています。
それ以外の対象の方で、受診を希望する方は、中央区の子宮がん検診のページを確認してください。
費用
無料
※精密検査や検診内容以外の検査を希望される場合には、有料となります。
検診内容
子宮頚がん検診 | 問診と視診、子宮頸部細胞診、内診 |
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子宮体がん検診(子宮頚がん検診を受けた上で必要と判断された場合に行われます) | 子宮内膜細胞診 |
自費検査
レディースドック・ベーシック
詳細 | 子宮頸がん検査、子宮・卵巣の超音波(エコー)検査 |
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費用 | 11,000円(税込) |